大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)796 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士一条清の上告理由について。

所論第一審検証調書の添付見取図が、一見、上告人(原告)申出の「字ab番の

c山林」について検証が施行せられなかつたような印象を与えることは所論第一点

指摘のとおりであるが、右調書本文に徴すれば、現場における当事者代理人双方の

陳述によつて範囲を特定させた上検証の施行せられた、地番及び所有権の帰属に争

いある地域を、軽卒に被上告人側の主張どおり「b番のd山林」と表示したことが

所論の疑いを生ずるに至つたに過ぎないこと明らかで、検証自体は適法に施行せら

れたと断じ得るから、右所論は採用し得ない。また所論第二点以下に指摘の証人ら

の尋問方法に仮に所論の欠点があつたとしても、これに対し上告人から異議を述べ

た形跡が記録上認められない本件においては右証人らの各供述を証拠として採用す

るに何らの妨げなく、そしてそれらの証言の内容を採用して判示のように反証に供

すると、また事実認定の資料とするとは原審の自由な裁量の範囲内に属することで

あり、更にまた甲第三号証の内容はこれを必ずしも真実に近いものと認めなければ

ならないわけのものでもない。これらの所論はひつきょうするに原審の専権に属す

る証拠の自由な評価並びにこれに基いてなされた事実認定を非難しつつ、そこに如

何にも所論の審理不尽・理由不備の欠かんあるが如く主張するだけのものであつて、

上告適法の理由とするに足りない。

なお、所論引用の各判例は本件に適切でないし、所論違憲をいう点も、その実質

は所論審理不尽・理由不備の主張に帰するものであつて、論議の限りではない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

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り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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